米国不動産投資で税対策|中小企業の税金対策

海外不動産投資

これまで高額所得者は所得税・住民税対策として、国内不動産や海外不動産に投資してきました。不動産を保有することが減価償却による税対策として節税効果がとても高かったというのが主たる理由です。国内不動産も節税対策として購入される方も多かったのですが、米国不動産への投資による税効果のほうがより高く、購入後の資産価値も高いことから人気がありました。

米国不動産物件は、日本国内不動産と比較すると住宅価格に占める建物の割合が高く、多額の減価償却費を計上できるというメリットがあります。また、米国不動産の流通市場は中古物件の取引が大半を占めていることと、人口の増加および米国株式市場の好景気を背景に、築年数が経過した物件でも資産価値が保たれる傾向があることから、売却時の流動性が高いことも特徴です。こうした特徴を利用して、米国不動産への投資による税効果のほうがより高く、購入後の資産価値も高いことから人気がありました。

ただ令和3年以降、簡便法に基づく加速度償却による個人の損益通算が不可能になってしまったため、今後は法人成りした方のみ節税効果を得ることができます。

国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例を次のとおり創設することとする。(租税特別措置法第41条の4の3関係)

(1)個人が、令和3年以後の各年において、国外中古建物(個人において使用され、又は法人において事業の用に供された国外にある建物であって、個人が取得をしてこれをその個人の不動産所得を生ずべき業務の用に供したもののうち、当該不動産所得の金額の計算上その建物の償却費として必要経費に算入する金額を計算する際に所得税法の規定により定められている耐用年数を一定の方法により算定しているものをいう。以下同じ。)から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、当該国外不動産所得の損失の金額に相当する金額は、所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかったものとみなす。

(注1)上記の「国外中古建物」とは、個において使用され、または法人において事業の用に供された国外にある建物であって、個人が取得してこれをその個人の不動産所得をしょうずべき業務の用に供したもののうち、不動産所得の金額の計算上、その国外中古建物の償却費として、必要経費に算入する金額を計算する際の耐用年数を次の方法により算定しているものをいう。

①法定耐用年数の全部を経過した資産についてその法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数とする方法
②法定耐用年数の一部を経過した資産についてその資産の法定耐用年数から経過年数を控除した年数に、経過年数の20%に相当する年数を加算した年数を耐用年数とする方法
③その用に供した時以後の使用可能期間の年数を耐用年数とする方法(その耐用年数を国外中古建物の所在地国の法令における耐用年数としている旨を明らかにする書類その他のその使用期間の年数が適切であることを証する一定の書類の添付がある場合を除く。)

(注2)上記の国外不動産所得の損失の金額とは、その個人の不動産所得の金額の計算上国外中古建物の貸付けによる損失の金額(当該国外中古建物以外の国外不動産等の貸付けによる不動産所得の金額がある場合には、その損失の金額を当該国外不動産等の貸付けによる不動産所得の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額)のうち当該国外中古建物の償却費の額に相当する部分の金額として一定の方法により計算した金額をいう。

では、法人成りした、またはこれから法人化する不動産投資家において、どのようなメリットを享受できるのかを解説したいと思います。
まず前述と同様、高い建物比率と不動産価格が落ちにくいアメリカの中古住宅の特性を利用できるというメリットがあります。
これに法定耐用年数に基づく償却による損益通算は引き続き可能。新たな減価償却法として、建物をさらに細分化して法定耐用年数を細かく算出します。最新の減価償却法を適用すると、法定耐用年数に基づく償却より効果が大きくなり、税効果がかなり見込めます。
コロナ特需企業の翌期以降の
業績落ち込みを先読みした
米国不動産によるキャッシュ防衛策
感染予防品、医薬品、紙パルプ、テレワーク関連、ネット通販、ゲーム、
テレビ・動画、出版など、新型コロナの影響によって予期せぬ駆け込み需要に
より一時的に業績が伸びている企業様が一部出てきているかと存じます。
ただ、そういった企業様もおそらく浮かれているはずがなく、むしろ翌期以降の
業績落ち込み懸念をお持ちの企業も少なくないかと思慮致します。
防衛策①
特需で出た利益を翌期以降のために出来る限り手元に残す。
米国不動産の税繰延べスキームを活用して節税。
防衛策②
安定したキャッシュフロー確保で副事業による事業ポートフォリオの分散を図る。
米国不動産の安定した家賃収入を獲得。
防衛策③
翌期以降でコロナとは別の経済ショックにより本業が打撃を受けたときの利益出しで活用する。
米国不動産を売却して繰延べた分の益金を計上。キャピタルゲインの享受。

アメリカ不動産の魅力

人口

先進国で唯一、継続的な人口増加が予想されます。日本国内は少子高齢化が進んでいますが、米国は純増傾向にあります。現在のところ、将来的に少子高齢化ということはないであろうといえます。

通貨の魅力

世界の基軸通貨である、米ドルの求心力にあります。ひとえに"有事に強い”米ドルという底堅い通貨です。富裕層の資産が向かう、信用度と信頼度が最もあり、円以外の通貨資産を持つなら、米ドルと言われています。

米国内不動産

安定的なインフレが、アメリカ不動産価格の上昇を生み、不動産市場が日本国内不動産市場の新築メイン主義と異なり、中古メインのため、中古住宅価格が上昇する傾向にあります。実際、統計上、米国不動産マーケットの新築シェアは11%ほどであり、実に89%が中古住宅が占めています。日本国内不動産は逆に新築シェアは85%であり、中古住宅シェアは15%ほどしかありません。

また不動産賃料が上昇傾向のアメリカに対し、日本は下落傾向にあり、その他空室リスクに関しては空室になるリスクが低いアメリカに対し、日本国内は東京都内では10%以上の空室率となっています。

法人税対策商品としての“4つのメリット”

1加速度償却

法人に関しては、加速度償却により、年度ごとに損益通算を行い、売却時まで課税を繰り延べることが出来ます。これは減価償却の仕組みにおいて、木造住宅であれば法定耐用年数の22年を超えると、その建物を簡便法で4年で加速度償却することが可能となります。この減価償却法は現在、法人でのみ取り扱い可能です。また、高い建物比率と不動産価格が落ちにくいというアメリカの中古住宅の特性を利用します。日本において、既存住宅は築年数が経つにつれて価格が下落する傾向にありますが、アメリカでは価格が落ちにくい一方、減価償却の対象となる建物比率が高い傾向にあります。

2投資期間のフレキシビリティ

航空機・船舶コンテナ等の日本型オペレーティングリースでは、一般に10~15年程度のリース期間が設定され、満了時に分配金が益金計上されます。
一方、アメリカ不動産は売却年度に益金が発生します。
なので、売却年度の調整により、益金発生の時期をコントロールすることができます。

3保存期間中の安定したキャッシュフロー

アメリカの不動産は、人口増加や経済成長により、不動産の売買価格・賃料が堅調に上昇しています。ゆえに、安定した収入に加えて、売却時の値上がり益も期待できます。

4購入不動産を担保とした融資利用が可能

米国不動産は、購入不動産を担保とした融資利用が可能です。ゆえに、投下した資金以上の損金計上が可能です。

その他、新型コロナの影響で、金利も過去最低となっております。米国本土のみならず、ハワイ物件も値下がりしているので、お買い得感はいまあります。

新たな減価償却の考え方

「中古資産の耐用年数」をどう考えるべきか?

以下、国税庁のホームページに定める「中古資産の耐用年数」に掛かる原則規定の抜粋・ようやくです。

1)法定耐用年数ではなく、使用可能期間として見積もられる年数(見積法)を適用可能。
2)見積法が困難である場合は、簡便法を適用可能。

仮に税制改正に係る議論が想定どおりに進む場合、

・見積法:"業”として耐用年数計算を行った事例は確認されていない(*1)
*1:これまでは簡便法が適用できたためと考えられます。

・簡便法:今後、損益通算への適用に規制が入る見込み。

という事情から、法定耐用年数(木造住宅:22年)に基づく耐用年数計算の適用を検討する必要があります。
一方で、法定耐用年数に基づく耐用年数では、計上可能な減価償却の効果が限定的となるため、この効果を如何に極大化するか(できるのか)がポントになります。

減価償却の効果を極大化するために

前提となる考え方⇒再分類する手法です。

減価償却の効果を最大化する方法とは、不動産の構成要素たる建物の中で、その建物自身にくらべ、より短期間で減価償却することができる動産資産等を見つけて再分類する手法です。
米国における不動産の減価償却は、通常定額法を用いて、住宅物件は27.5年で償却され、この償却期間をもってこれらの資産が"不動産”であると定義されています。
不動産の中に存在する動産などの(より短期間で償却可能となる)部分を切り離して再分類し、部分的に5年、または15年(*2)での償却を可能にすることで、減価償却費用をより精緻に計算するという考え方でIRS(米国の国税庁)もこれを批准しています。
*2:米国における償却年数の考え方です。

この再分類・レポート化作業を米国の専門エンジニアなどに依頼し、その際、再分類の各資産が、"日本の「減価償却資産に係る耐用年数表」内のどの細目に該当するのか”を明確にします。

再分類の考え方を耐用年数計算に適用する場合、当該レポートを確定申告時の添付資料とする必要があります。

減価償却の考え方・算出法

【方針】
レポート内に2つ(米国と日本)の両方の耐用年数がありますが、「日本の耐用年数
に基づいて減価償却計算を行うことを想定しています。
各種数字明細は「細目」毎に、耐用年数と償却可能総額を確認する必要があります。

手順などは別途、お問い合わせいただいた方に個別説明となりますので、個別相談へお申込みください。

弊サイトからの御紹介する米国不動産はすべて上場会社からの紹介となります。

ご留意

1)弊サイトは、米国不動産投資に係る税務申告に再分類法を適用した事例を把握しておらず、本件資料につきましては、現時点で公表されている資料・情報及び各種専門家からのヒアリング等に基づき、見解をお伝えしているものです。
つきましては、再分類法に基づく税務申告の実施可否、あるいはその承認可否を含む結果等については保証致しかねる旨を何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
なお、個別物件の税務申告やその他対応につきましては、税理士等の専門家にご相談くださいますようお願い申し上げます。

2)再分類法の適用にあたっては、提携不動産業者(上場会社)の担当から詳細の説明がありますが、税務申告に際し第三者(米国の専門エンジニア等)が準備するレポートが必要となります。こちらは別途費用が掛かることをご了承ください。また金額等の条件については、今後変更となる可能性があるとのことです。

 

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